・労務管理の負担
直接雇用に切り替えた場合、当然ながら、各労働者との間で労働契約を締結する必要があります。
中国労働契約法では、雇用開始日から1か月を経過しても労働契約を書面もって交わしていない場合、労働者に対して毎月2倍の賃金を支払う必要があるなど、大変厳しいペナルティがあります。
また、労働者とのトラブルが多いのも事実で、そのため、労務管理の負担が増大することを懸念される企業も多いでしょう。
しかし、労務管理を恐れるのではなく、これを機会に、自社の労務管理を見直すいい機会だとも考えられます。また、自社がすべき部分は自社で行い つつも、外注できる労務管理については、外部の業者にアウトソーシングすることで負担を軽減できる可能性もあると思います。
・解雇の難しさ
労務派遣を利用する場合のメリットの一つとして、更新を繰り返しても無固定期間契約にならないというものがあげられます。また、労務派遣の場合、労働契約は、派遣会社と派遣労働者間で締結するものですので、解雇の場合の経済補償金を支払うのは雇用者である派遣会社のはずです。直接雇用に切り替えた場合には、このようなメリットがなくなってしまうことを懸念されるのは当然です。
しかし、無固定期間契約を恐れるのではなく、問題のある社員に対しては、就業規則を有効活用して対処する、また、そもそも、採用の際に必要な情報・資料を得ておき、解雇せざるを得ない場合に備えておく、試用期間を有効活用する等の原則的な方法で対処することも可能です。
また、経済補償金については、労務派遣を利用した場合でも、派遣先企業が負担せざるを得ない契約内容になっているケースが多々ありますので、実際には直接雇用に切り替えても特に変わりはないものと思われます。
以上のとおり、必ずしも労務派遣の方がメリットがあるとは限りません。なにより、直接雇用を恐れるのではなく、これを機会にしっかりとした管理体制を確立することが最も求められていることだと思います。
以上
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