中国労働契約法の改正(労務派遣改正)
改正労働契約法が2013年7月1日に施行されました。
今回の改正は、労務派遣に限られていますが、派遣労働者を少なからず利用してきた日本企業にも大きな影響が出るものと思われます。
そこで、どのような改正がなされ、どのような影響が予想されるのかについて解説致します。
労務派遣改正の背景事情
まず、改正の背景事情は以下のとおりです。
・派遣労働者と正規雇用者との待遇格差
・派遣労働者の不安定な地位
・運営管理が不適切な派遣会社の存在と派遣労働者の被害の増加
これらの事態が常態化した現状は、労働者の権利を強化し、労働者の保護を図ろうとした労働契約法が目指したものとは大きく異なるものであり、改めて、労働者の保護を図ろうとしたというのが改正の背景事情です。
改正の内容
(1)労務派遣業への参入規制(労働契約法57条)
労務派遣業への参入規制については、改正前の労働契約法57条にも規制がありましたが、改正により参入規制が厳しくされました。
・事前に行政許可を経た上で登記を行うこと
・登録資本金額が200万元以上であること
・労務派遣業を運営するのに相応しい固定の経営場所及び施設を有すること
・法律、行政法規に合致する労務派遣管理体制を有すること
・法律、行政法規に合致するその他の条件を備えること
※なお、施行前から既に労務派遣業を営んでいる場合は、2014年6月30日までに条件を満たせば良いものとされています。
(2)同一労働同一報酬の原則(労働契約法63条)
同一労働同一報酬の原則についても、改正前の労働契約法63条に規定がありましたが、企業側の義務としても定められるなど、同原則が強調されています。
・派遣先企業に同一労働同一報酬の原則に合致した労働報酬分配方法の実施を義務付け
・労働契約及び労務派遣契約において明記または約定する派遣労働者に対して支払う労働報酬は、同一労働同一報酬の原則に合致しなければならない
※なお、経過措置により、2012年12月27日(改正法公布日の前日)までに締結済みの労務派遣契約は、契約期間が満了するまで有効とされていますが、この同一労働同一報酬の原則に反する部分については変更が必要とされていますので、要注意です。
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