労働関連法務

中国企業の経済性リストラ方法の紹介
                       −−−経営困難に陥った企業のリストラ−−−
一、中国企業の経済性リストラの法的依拠
  「中国労働法」と「労働契約法」に経済性リストラについて明確な定めがあります。その目的は、企業は経営困難に陥り、再編などで大量従業員をリストラするのに、企業の負担する解雇経済補償金を削減するためであることを法的に明確しました。

  「中国労働法」第27条:雇用者は破産する危機があって法的再編する期間、又は生産経営状況の悪化により厳重な経営困難に陥って、従業員リストラする必要がある場合、30日前もって労働組合あるいは全従業員に状況を説明し、労働組合あるいは従業員の意見を聴取して、労働行政部門に報告後、従業員リストラをできるとする。雇用者が本条の規定により従業員を解雇して、六ヶ月以内に従業員を再募集する場合、解雇された従業員を優先的に雇用しなければならない。

  「中国労働契約法」第41条:下記のいずれかの状況があり、20人以上の従業員削減が必要になった場合、または20人未満であっても従業員総数の10%以上の従業員削減が必要になった場合は、雇用者は従業員を解雇の30日前に労働組合あるいは全従業員に状況を説明しなければならない。労働組合あるいは全従業員の意見を聴取のうえ、従業員削減案を労働行政部門に報告後、従業員削減ができるとする。

   (1)企業破産法の規定により企業再編を行う場合
   (2)生産経営がきわめて困難な情況に陥った場合
   (3)企業の産業転換や重要な技術革新、または経営方式の調整により、労働契約を変更してもなお、従業員削減をしなければならない場合
   (4)労働契約締結時の根拠となった客観的な経済状況に重大な変化が発生し、労働契約の履行ができなくなった場合

  従業員の削減に当たっては、下記の人員を優先的に継続雇用しなければならない。
    @当該事業主と比較的に長期限の労働契約を締結している者
    A無期限労働契約を締結している者
    B家庭に他の就業している者がなく、扶養している老人または未成年者がいる者
   雇用者が本条第1項の規定により従業員削減してのち、六ヶ月以内に従業員を再募集する場合は、解雇された従業員に通知するとともに、同じ条件の下で解雇された従業員を優先的に雇用しなければならない。

地方規定・上海市人力資源と社会保障局の

「雇用者は法に基づき従業員リストラする場合の報告通知」(2009年3号)
  ……
  (二)雇用者は労働行政部門に従業員リストラ方案を提出する時、以下の資料を提出する必要がある。

  1、「企業営業許可書(副本)」と「労働組合法人資格証書」のコピ。労働組合のない企業は全従業員の推薦した従業員代表の証明資料。

 2、労働組合代表又は従業員代表の個人資料(姓名、身分証明書番号、職務、労働契約期限など)

  3、企業のリストラ方案。解雇人数とリスト(姓名、身分証明書番号、労働契約期限など)、解雇比率、経済補償金準備状況、企業再生措置有無の説明   ?
  
  4、企業の労働組合あるいは全従業員に説明した状況及びそれに対する意見。従業員リストラする理由、労働組合あるいは全従業員に説明した方式及び日付、それに対する意見。(添付一「企業従業員リストラ状況報告表」を参考。)
  企業の労働行政部門に提供した資料は真実であることと偽造などによる法的責任を負わなければならない。

二、経済性リストラの法的手順
  まず従業員リストラ条件に満たすこと、あるいは雇用者は破産する危機があって法的再編する期間、又は生産経営状況の悪化により厳重な経営困難に陥った状況が発生してあることを証明します。そのため相関法律に定めてある証明書類や財務諸表を整え、企業の現状を証明できなければなりません。

 つぎは、雇用者は30日前もって労働組合あるいは全従業員に状況を説明し、労働組合あるいは従業員の意見を聞き、従業員に説明する義務を果たしことを証明できる会議記録や説明会参加従業員サインまたは従業員意見などを準備しておきます。

 最後に、状況説明の30日後に所在地の労働行政部門に報告し備案しておき、労働行政部門の報告受取(受理)の証明がなければなりません。

三、弁護士意見
  中国の労働力コストの増加及び新しい「労働契約法」の実施により、従業員を不当に解雇する場合、二倍の経済補償金を支払うことに直面するので、企業経営不振によるリストラ実施は重大な法的リスクを抱えています。合法性及びリストラコストの面から考えても、経営不振に陥った企業は経済性リストラを主なリストラ方案として考慮するべきでしょう。中国経済性リストラは、合法的かつ低コストで、さらに労働行政部門に報告義務のみで、審査許可の必要がありません。そのため中国経済性リストラに関する法令は、雇用者にリストラを合法的かつ適切な低コストで実施できる空間と権利を与えたと考えてよいでしょう。

上海ND法律事務所

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