中国と日本の非嫡出子(婚外子、私生児、私生子)の
国籍、親権、扶養、相続権について
嫡出子(婚内子)とは婚姻関係にある男女から生まれた子を称するが、嫡出でない子は非嫡出子(婚外子、私生児、私生子)と称されています。(非嫡出子とは婚姻関係にない男女から生まれた子に対する偏見的な称に思われますが以下は婚外子と称する。)
子の父(母)が誰であるか、それをどう確定させればよいかが古くから問題とされてきました。現代では血液型やDNA鑑定などの科学技術により、血統の面から親子関係を確定させることができますが、生まれた子の社会的な存在を公認されること(認知されること)こそが血統以上に重要な要素であると思われます。
アイスランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フランス など一部国家での婚外子の比率が50%前後なっているようで、しかも上昇の傾向があるそうです。中でも、婚外子が過半数を占めるフランスやスウェーデンでは「親の様々な生き方を認める」観点から、婚外子は婚内子と法的には等しくなっているそうです。中国の一人子政策や戸籍法令・罰則などの制限により正確な比率を把握しにくいですが、上記の欧米諸国よりは比較的に低いと思います。日本は2%前後そうです。
男女二人の国籍が異なって、さらに婚外子の場合、国際私法に従って準拠法が決せられ、婚外子をめぐる法律関係が非常に複雑な問題になります。
中国と日本の婚外子に関する法令の比較
中国 |
日本 |
|
国籍 |
父母の一方が中国籍で、中国生れの場合は中国籍、二重国籍を認ず | 母が日本籍の場合、日本籍; 父が日本籍の場合、婚姻と認知が必要 |
親権 |
父と母がともに親権あり | 母に親権、父は認知・協議で取得 |
扶養 |
父と母がともに扶養の義務あり | 父と母がともに扶養の義務あり |
相続 |
婚内子と婚外子の相続地位が等しい 相続回復請求権時効期間が2年 |
婚外子が婚内子の1/2相続地位 |
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